5月 江戸文化の真髄「長唄三味線」

2016年5月25日。今月の和gaku庵は満を持して「長唄三味線」。杵屋 三澄那 (きねや さんすみな)先生を講師に、集まった受講者は男性5名、女性12名の計17名。先生が楽器屋さんの協力のもと、20挺(ちょう)までは用意できる、という三味線が足りなくなるか、という大盛況でした。

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講師の杵屋三澄那先生。気さくでお優しい、若き三味線名人です。

 

 

 

「三味線、触ってみたい」と、和文化、伝統芸能に興味のある人なら一度は思うはず。でも、いきなり弟子入りは勇気がいるし、三味線に実際触れる講座は数少なく、あってもホントにちょっと触るだけ。今回の和gaku庵は、一人1挺三味線が用意されていて、「さくらさくら」を弾けるようにする、というのだから、人気のほどはわかります。

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講座は、三味線の解説から。
三味線には、細棹、中棹、太棹と三種類あり、長唄に使うのは細棹。三味線はよく目や耳にしているものの、そんなに種類があるとは!そもそも三味線は、沖縄の三糸(さんしん ハブの革を張った小型の三味線)に、琵琶のバチを合わせて、今のような三味線になったとか。
15~16世紀の頃のお話しです。沖縄ではハブの革を張っていたけれど、内地ではそれは難しいので、手近な材料を使って。
ということで、細棹の場合はネコが最高級。練習用にはイヌ……というお話しはスルッと。糸巻きは象牙や黒檀、棹は紅木(こうき)、紫檀、花梨など。

ズラリと並ぶ三味線。圧巻です。

そして胴は杉。すべて違う木を使っているのですね。
と、三味線の基礎知識が終わったところで、いよいよ三味線に触ってみます。
まずは、指掛け。左手の親指と人指し指に通して使います。棹に当たる左手の滑りをよくするための道具です。
そして、バチの持ち方。右手の小指と薬指の間に挟んで、でも小指が伸ばしたり曲げたりできるように余裕をもって……と、
これがなかなか難しい。

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バチの持ち方を説明中。小指と薬指の間に挟んで持ちます。

 

 

 

次は三味線の持ち方です。
右膝に滑り止めのゴムを置いて、その上に三味線を置きますが、胴の角を膝に宛てるようなつもりで。
そして、バチを持った右手を反対側の角にあてるように置くのです。胴の面ではなく角で支えるイメージ。
上手に持てると、左手を離してもそのままの形がキープできる……と、これもなかなか難しい。

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バチのあて方を説明中。三味線は打楽器のつもりで、バチを打ちつけるように。

 

 

 

さて、いよいよ音を出してみます。バチはお尻が下になるように持って、打ちつけるように弦にあてます。
「三味線は打楽器だと思って叩くように」と。
え? 打楽器? いやいや弦楽器でしょ……と目を点にしながら弦を弾いてみる。……
はい。思った弦に当たりません。これもやっぱり難しい。

そして、楽譜の読み方。
三味線の楽譜には何種類かあるそうで、その内の一つ文化譜は、なんと、なんと、ギターのタブ譜と同じ!
3本の弦を表す3本の線に、左指で抑える位置を示す数字が書いてあるのです。
え? 三味線にフレットはないだろうって? はい、その通り。三味線の棹は何の目印もありません。でも、安心してください。
初心者のために、棹の側面に、数字を書いたシールが貼ってあるのです。あとは、文化譜に書いてある弦と数字をよく見てしかるべきところを押さえ、しかるべき弦をバチで弾けばOKという寸法です。

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楽譜を見ながら、なんとか音を出してみます。タブ譜とシール付きの棹で、どこをどうやったら音が出るかは一目瞭然。

 

 

今日の課題曲は「さくらさくら」。

まずは三澄那先生のお手本演奏を聞いて、各自故人練習に入ります。
三澄那先生と、先生のお弟子さん、杵屋三那都先生が、会場を回って、細かく指導してくださいました。
弦の押さえ方、バチの持ち方、三味線の構え方……。
参加者一同、一生懸命の時間が流れていきます。

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三澄那先生のプロのお弟子さん、三那都さんも一人一人指導してくださいました。

 

 

 

そして、みんなで合奏。
先生が替手(基本旋律と合奏するように作られた別の旋律)を弾いてくださり、あらまあ、びっくりな完成度!
参加者17名+先生方お2人、合計19名の合奏は、まさしく大団円の様相となり、参加者から歓声があがりました。

これも、一人1挺、三味線を用意してくださったからこそできたこと。楽器を奏でる楽しさに、他の人と合奏する楽しさも加わって、まさしく興奮の時間となりました。

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全員で「さくらさくら」の大合奏。先生が替手を弾いてくださり、びっくりな完成度。大団円!の様相です。

 


最後に三澄那先生と三那都さんによる演奏。有名な曲の印象的な部分を合わせて、迫力の演奏でした。

三味線って素晴らしい!

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会の最後は、三澄那先生と三那都さんによる長唄メドレー。
連獅子の「狂い」、勧進帳の「滝流し」などなど、鳥肌ものの迫力の演奏。

 

後日談。
この日の体験があまりにも楽しくて、もっともっと三味線を弾きたくて、希望者によるグループレッスンが続いています。この日参加できなかった人も含め、和gaku庵から生まれた三味線への好奇心が大きくふくらみ続けているのです。
いつか和gaku庵由来の演奏会が開けたらいいなと、大それた野望を密かに抱いてしまったことを告白して、和gaku庵 長唄三味線の巻のご報告といたします。

 

文責 : 中村千春

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