7月 和gaku庵5周年スペシャル「義太夫」&「長唄」

和gaku庵の5周年スペシャルとして、義太夫三味線の豊澤長一郎さんと、長唄三味線の杵屋三澄那さんの三味線講座を開催しました。

国立劇場の怒涛の二回公演を終えて来てくださった長一郎さん。公演のお疲れも全く見せずに終始和やかな佇まい。

講座開演前に、三味線体験の時間をとり、義太夫三味線と長唄三味線をご希望の方にそれぞれ触っていただきました。通常、比較して体験できる機会は、ほとんどありませんので、ご参加くださった皆様、興味津々です。

義太夫三味線は、歌舞伎・文楽で「語り」を担当する太夫と一緒に演奏される太棹三味線で、バチも本体も大きくて重い!重厚で男性的な印象です。

長唄三味線は、歌舞伎では「歌」を担当する長唄と一緒に複数人で演奏する事が多い細棹三味線で、義太夫三味線より華奢で女性的な印象です。音域も高いので、洋楽器にたとえると、細棹三味線がギター、太棹三味線がベースといったところでしょうか。

講座が始まり、まずはお二人の演奏をじっくりと堪能していただきました。

1曲目は、祝言曲の『三番叟』をモチーフに弾き比べです。義太夫からは「寿式三番叟」。長唄からは「操り三番叟」の聞かせどころを弾いてくださいました。
当日駆けつけてくださった特別ゲスト 太夫 竹本道太夫さんの語りは、サプライズ。主催者も当日まで知りませんでした。普段は舞台では歌わないからと、ご謙遜されていた三澄那さんの弾き語りも素晴らしく、とても心に染み入りました。

弾き比べ2曲目は『鷺娘』の演奏を。長唄【鷺娘】は、恋に悩む女の胸の苦しさのうち、地獄の責めに苦しみもがき、やがては力尽きて息絶えていくさまを表現した詩的な曲であるに対し、義太夫節【鷺娘~花競四季寿より~】は、四季を題材にした中の「冬」を表した曲で、春を待ちわび、自然の恵みに感謝するという明るい雰囲気の内容になっています。同じモチーフであるにもかかわらず、義太夫と長唄で風情の違いを実感することができました。

お二人の演奏の後は、それぞれの三味線の説明です。最近の三味線の皮は丈夫なカンガルーを使う事が増えつつあるとか(伝統的には猫と犬)、細棹の駒は象牙、太棹の駒は水牛に鉛、バチは象牙でそれぞれ大きさも形も違うとか、両三味線とも弦は絹なのだけれども、細棹の一番細い弦は蚕の繭300個で出来ているとか、とても興味深い三味線トリビアなお話をたくさん聞くことができました。

途中ブレーク的に、三澄那さんが沖縄でお土産として購入された三線をお披露目くださいました。三線は三味線の元になった楽器ではありますが、本物を見るのが初めてという方が大半のようでした。三線を弾く爪が琵琶に取り入れられバチになり、それが三味線へと進化を遂げたんだ、なんていうお話も、興味深さに輪をかけました。

 

 

 

 

 

 

最後はお待ちかねのお二人の共演。数曲の演奏後、最後にメリヤスという、歌舞伎の情景を表す曲をお二人で演奏いただき、聞くことができたのは本当に貴重な時間となりました。歌舞伎の鳴り物に女性は参加出来ませんから、三澄那さんにとっても初めての経験だったそうです。

最初から最後まで全てにわたって贅沢だった当講座。お二人の演奏に魅了され、邦楽器の花形「三味線」の魅力を十分に堪能し、義太夫・長唄への理解がさらに深まった90分間でした。

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